独身アラフォー女の趣味と仕事と思い出話

大人の階段を昇っちゃった日

あれは……。
中学2年の秋であった。

女子も男子も第二次成長期を迎え、生えた生えないで浮き足立って。
「あれぇ?○○ちゃん体育見学なの?具合悪いの?」
「ううん。ちょっとね…今日アレなの」
「あ……そうなんだ?えーと、大変だね」
アレの話についていけるかいけないかは、女子にとっては死活問題である。

意地の悪い女だと、まだきていない子の前でわざと
「あ~ホンット生理ってやだよねー」なんて話題を振る。
「あ、ごめん私まだだから…わかんないや…」って言わせたくて。
「そうなんだぁ?そっかーごめんごめん!」とかやたら高いテンションで言い放つのだ。
“まだ”の子にとってはどれだけ屈辱的なことか。

成長の早い子なんかは小学校高学年頃には巨乳と生理に悩んでいた。
私はというと、身長の伸びは小6の時点で147.5cm。成長終了。
チビの称号を獲得していた。

母なんかは、私の身長に加え精神年齢の低さから
「あんたはアレね、生理がくるのはかなり後よね」
なんて言っていた。なので何も教えてくれていなかった。
そんなもんだから、あぁ私は友達の中でもセイリとやらになるのは最後だな。
と思い込んでいた。

そもそも私は当時、自分の尻周辺には尻の穴と尿が出る穴の2つしかないと思い込んでいたのだ。
子供が生まれ出てくるのは尿の穴だと。
だから子供なんて生んだら穴がちぎれて死ぬんじゃないかと思っていた。
そしてセイリとは、真っ赤な血尿が一週間続くものであると。
セイリって結構、動けない的な辛さらしいという噂を聞き、
そりゃぁ血尿だもんな、辛いわな。痛いわな!
やだなぁセイリなんてなりたくないな~。と。

今はどういうものかは知らないが、当時の性教育はなんともリアリティに欠けていた。
保健体育で習ったことなんて、男子も女子も陰の毛が生え揃う。
男子は髭が生え、身体は逞しくなる。
女子はセイリが始まり、胸が膨らむ。
これだけである。

生命誕生の過程では精子と卵子が出会うことは知っていたが、
実際に何がキッカケで出会うのかはサッパリだった。
これでどうやって万が一に備えよと?
私はあまりにも無知だった。穴についてもセイリについても。

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