独身アラフォー女の趣味と仕事と思い出話

知らない人が玄関のドア開けて家の中入って来ちゃった体験談

ねぇ。ちょっと。信じられる?
よくさ、酔っ払ったおっさんが「ただいま~」とか言って
見ず知らずの家に入っちゃうっつー。
マンガのような話。

あれ、実際起きたから。
私の家で。

週末にな、相方と仲良く台所で夕飯作ってたわけ。
まぁいつもの微笑ましい光景だよね。

相方が一生懸命なんか刻んでた。
私は横で缶ビール片手に立ってた。
正しく言えば、夕飯作ってたのは相方だよね。
確かね、献立はスーパーの入り口付近でゲットした
カード型のレシピで、めかじきのソテーガーリックトマトソース。

多分、にんにくあたりを刻んでいるときだったかな。
相方が。

うちはさ、アパートっつても一棟に4世帯しか入ってないわけ。
二階建てなんだけど、玄関は4世帯全部一階にある的な?
二階の家はさ、玄関入っていきなり階段になってるっぽい。
私は一階だからよくわかんないけど。

玄関入っていきなりキッチン的なワンルームは絶対に嫌だっつー、
私の希望を汲んで不動産屋さんが見つけてくれた物件だったのね。
玄関入って廊下を経てカウンターキッチンがあり、
リビングと寝室があり、モニター付きインターフォン、喋る給湯機能。
の、1LDK。ちなみにお家賃は激安。
日当たり最悪なのが原因かしら。

その他普通のいわゆるアパートの設備の一歩上をいくこの物件。
もうな、天国。引き篭もり体質の私には心地良すぎ。

まぁ、ただうちのお二階さん。
よくご友人集めてわいわいやってんだよね。週末に。
結構聞こえちゃうわけよ。
特にお互い窓を開けてる夏場なんかは会話の内容まで聞こえちゃう。

お二階さんは3.11の震災直後に地方から就職のために上京してきて、
お引越しのご挨拶にコーヒーと単一電池をくださった。

日本の南~の方に住んでいらした彼は、東京の買い占め現象により
水や電池類が不足していることをテレビで見て、
ご挨拶の品として故郷で購入した電池を加えてくださるという
かなり気の利いたイケメン好青年なわけよ。

電池もらっちったし、バッタリ会ったときの挨拶も爽やかだし。
週末の夜わいわいガヤガヤやっててもさ、文句言えないじゃん?
うちも週末相方が来て、二人とも声でかいからお互い様的な。
そう、お互い様的な。

だから深夜2時3時とかまでわいわいキャッキャやっていても、
布団かぶって歯ぁギリギリしながら我慢してる。

話、戻るけどさ。
相方と料理しながら、今日もお二階はにぎやかだねぇ~
マジで夜11時には解散してほしいよねぇ~
なんて会話していたわけだけども。

いきなり玄関がカチャッつった。
うちに客人が来る予定なんてなかったわけ。
二人で顔合わせながら「????」ってなってた。
「今ガチャっつったけど!?」
「え?なになに?なにごと?誰?」
って。

二人で混乱している間にもバタンっつって、
人が入って来たっぽい音がさ、するわけよ。玄関から。
恐る恐る二人で玄関方面を覗き込むよね。

「誰!?!?!?!?!?!?」(二人の心の声)

若い男が入って来た。
しかも当然のように。当たり前の如く。
両手をポケットに突っ込み「ふんふんふ~ん♫」みないな表情で。
うちの廊下をリビングに向かって歩いてくる。

この間、一歩も動けず。
いっろんなこと考えたよね。

私の家族でさえうちに来たときはインターフォンまず鳴らすのに。
ノックもピンポンもせずうちに入ってくる知り合いなんていないのに。
え?こんな知り合いいたっけ?
ちょっとマテ。私の親族でこんな顔いたっけ?
え?もしやもしや、相方の友達?
いやいや聞いてねぇよ?来るなんて。

もう脳内、完全にパニック。
相方は包丁持ったまま「おお!?おお!?」と繰り返している。
一応戦闘態勢だったのかもしれない、相方。
包丁持って「おお!?おお!?」って笑える。
その間も男はズンズンうちの中に入ってくる。

私達と目が合って。
3秒くらい、時が止まったよね。その場にいた3名の。

男、何かに気付いた。
多分、男の脳内でもいろんなことが駆け巡ったね、間違いなく。
4秒程経過して。
「おお!」
つって、玄関に走ってった。
「すみません!すみません!」
つって出ていった。嵐のように。

呆然。
すでに誰もいない玄関見つめて私も、包丁持った相方も固まってた。

「え?」
「え?」

って何度か繰り返した後、お二階さんの客人がうちに間違って入ってきたと
二人で推測して事態は収束したんだけど。

つーかお二階は玄関すぐ階段なのに、なぜ気付かずうちの内部まで
入ってきちゃったのかと。まぁね、ありゃぁ酔っ払ってたね。
そんでまぁ、鍵を閉め忘れたのどっちかっつって揉めたよね。

思った。もしこれが刃物とか持った犯罪者だったら。
動けないし、叫べないうちに殺されてたわ。
人間、思ってもみないことが起こるとアレだわ、無力。無抵抗。

鍵はちゃんと締めような。
そしてお二階さんには、全ての客人に左から何番目のドアだとしっかり伝えておいてほしい。
この騒ぎの直後に鍵閉めたんだが、30分後にまた誰かうちのドア開けようと
ガチャッ!ガチャガチャ!「あれ?」とかやったんだかんな。まったく。